シミ取りレーザーで再発する?|考えられるのは2パターン

シミ取りレーザーで再発する?|考えられるのは2パターン

シミ取りレーザーで再発したと感じる時、原因は2種類あります。1つは炎症性色素沈着。これは照射後1か月程度から始まります。もう一つは本当の再発。紫外線照射などにより数年後に再びシミが現れます。ここではシミ取りレーザー後の再発について詳しく解説します。

シミ取りレーザーを当てても再発する?

シミ取り後に再発するリスクを説明する女医

 

 

こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。

 

これまで、ピコレーザーでシミ取り治療を受けたのにまたシミが再発してきた、というご経験はありませんか?

 

実は、ピコスポットを照射してもまたシミが復活してくるパターンが2つあります。
一つ目は炎症後色素沈着といい、厳密に言えば再発ではないのですが、また色素が表面に出てきます。
二つ目は本当の再発で、シミが元あった部分にまたシミが出来てきます。

 

どんな時に、どんな機序でまたシミが出来てくるのかについて詳しく解説します。

①炎症後色素沈着

ピコレーザーは、非常に短いパルス幅(ピコ秒単位)で高出力のレーザー光を照射し、皮膚の特定のターゲット色素(メラニンや刺青の色素など)を破壊する治療法です。
従来のナノ秒レーザーと比較してより短い時間で色素を破砕できるため、周囲の正常組織への熱ダメージを最小限に抑えられます。
そのため、シミやそばかす、刺青の除去、肌質の改善などに使用されます。

 

ピコレーザーによるスポット照射後、皮膚が一時的に炎症を起こすことがあります。
その際、レーザー照射によるダメージや熱刺激が皮膚の自然治癒プロセスを引き起こし、これに伴ってメラニン生成が過剰に活発化する場合があります。
その結果、ピコスポット照射後1か月後くらいの時期に色素沈着が生じ、レーザー治療後の皮膚に新たな色素斑が見られることがあります。
これが炎症後色素沈着(PIH)です。

 

PIHの発生は、主にその人の肌質などに左右されます。
実際に治療をしての体感ですと、ピコスポット照射を行った方の内3%程度に炎症後色素沈着を認めました。。
また、照射後に適切なアフターケアが行われなかった場合にもリスクが高まります。
さらに、照射部位が紫外線に晒されることも色素沈着を悪化させる原因となります。

 

炎症後色素沈着を予防するには、まずは紫外線対策が必須です。
日焼け止めを塗ることを習慣づける必要があります。

 

次に、毎日のスキンケアで保湿をしっかりと行うことが大切です。
トラネキサム酸などの抗炎症作用がある成分を含んだ美容液などを使うのもおすすめです。

 

また、当院ではスポット照射をしてから2週間後に再診で来ていただくのですが
その際強い炎症を認めた場合は炎症を抑える働きのある塗り薬を処方する場合もあります。

 

炎症後色素沈着が発生してしまった場合でも、時間の経過とともにおよそ半年~1年ほどで自然に改善することが多いです。
しかし、色素沈着が濃かったり、早く治したいという場合にはハイドロキノンの外用がおすすめです。
メラニンの生成を抑える成分であるハイドロキノンを一定期間塗り続けることによって、色素沈着を早く治す効果があります。

②本当の再発

シミに対するレーザー治療は、シミの原因となるメラニン色素を除去し肌のトーンを均一にするのに効果的な方法です。
しかし、レーザー治療を受けて数年後にシミが再発することがあります。
これには、シミの再発を引き起こすいくつかの要因が関係しています。

 

まず、レーザー治療をしてもシミの根本的な原因であるメラノサイト(メラニンを生成する細胞)が完全に取り除かれるわけではないことが一番の要因です。
レーザー治療では蓄積されたメラニン(色素)をターゲットにして破壊しますが、メラノサイト自体が残っているため、将来的に再びメラニンを生成し続けることは可能なままです。
このため、治療後も外部の刺激が加わると再度シミが現れるリスクがあります。

 

紫外線はシミ再発で最も多い原因です。
紫外線にさらされると皮膚が防御反応としてメラニンを生成し、その結果シミが再度濃くなる可能性があります。
レーザー治療後は肌が一時的に敏感になり紫外線の影響を受けやすくなるため、治療したらそれで終わりではなくその後も紫外線対策を続けることが非常に重要です。
日焼け止めをこまめに塗り直したり帽子や日傘等を使って物理的に紫外線を避けたりすることが、シミの再発を防ぐためには不可欠です。

 

また、加齢もシミ再発の要因の一つです。
加齢に伴い皮膚の再生能力が低下し、ダメージを受けやすくなります。
その結果、シミができやすくなる傾向があります。
特に、長年にわたって紫外線を浴び続けてきた肌にはダメージが蓄積しているため、
レーザー治療を受けても新たなシミが発生しやすくなります。
肌の老化を防ぐために、ビタミンCなど抗酸化作用のある成分を日々のスキンケアに取り入れるのがおすすめです。

まとめ

シミの再発を防ぐためには、日々のスキンケアや生活習慣が重要な役割を果たします。
紫外線対策を徹底することに加え、肌のターンオーバーを促進するケア、そして肌に優しい生活習慣を心掛けることが必要です。
特にビタミンC誘導体やレチノールなどの美白成分を含む化粧品を使用することで、メラニンの生成を抑える効果が期待できます。
また、睡眠や栄養バランスを整えることも、皮膚の健康を維持するために欠かせません。

 

レーザー治療はシミに対する有効な手段ではあるものの、現段階では再発のリスクを完全に排除することはできません。
シミの再発を防ぐためには、治療後のアフターケアや日常の予防対策が不可欠です。
紫外線対策や適切なスキンケアを継続することで、再発を最小限に抑えましょう。

 

 

【監修】

六甲道あさみお肌のクリニック 副院長 芝原麻実

六甲道あさみお肌のクリニック

副院長 芝原麻実

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