こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。
みなさんは、ご自身のシミがどの種類のシミであるかご存じですか?
シミはシミ、すべて同じ!と思われるかもしれませんが、シミにもいろんな種類があるんです。
その種類ごとに治療法も全く異なってくるため、シミ治療の際にはまずどの種類なのか正確に診断する必要があります。
この記事では、代表的な3種類のシミについて解説しますね。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)は、加齢や長年にわたって紫外線に当たってきたことが原因でできるシミです。
主に顔、手の甲、腕、肩などの皮膚に左右非対称に、濃い茶色の境界明瞭なくっきりとした斑点として現れます。
このシミは、皮膚のメラニン生成が局所的に増加することによって生じます。
老人性色素斑は健康面における直接的な影響はありませんが美容上の理由から気にされる方が多く
年齢を問わず治療を希望されることが少なくありません。
老人性色素斑の主な原因は、長期間にわたる紫外線への曝露です。
紫外線は、皮膚の「メラノサイト」と呼ばれる細胞を刺激して「メラニン」という色素を過剰に生成させます。
この「メラニン」は皮膚を紫外線から守ってくれる働きをしますが、過剰に生成されると局所的に蓄積して斑点になります。
特に、長年にわたり太陽の下にさらされていた部位に発生しやすく、加齢とともにその発生頻度が増加します。
また、加齢そのものでも皮膚の代謝機能が低下するため、古い細胞がスムーズに排出されなくなってメラニンの蓄積が進みます。
こんな風に加齢と紫外線が相互に作用して、老人性色素斑がつくられるのです。
そんな老人性色素班の主な治療法は、レーザーで色素を壊す治療です。
当院ではピコレーザーという、シミ取りレーザーの中では最新の機械を使用して治療しています。
その外にもケミカルピーリングやトレチノイン・ハイドロキノン療法などがあります。
雀卵斑(じゃくらんはん)、通称「そばかす」は、主に顔面や腕などの日光にさらされやすい部分に見られる茶色の小さな斑点です。
特に色白の人や遺伝的にメラニン産生が多い人に多く見られる特徴があります。
雀卵斑の主な原因として、遺伝的要因と環境的要因があります。
まず遺伝的な素因は特徴的で、特に欧米系の白人や東アジア系の人々に多く見られます。
メラニン生成に関与する遺伝子の変異などが関係しており、これによって皮膚が紫外線に対して敏感になるようです。
もう一つの要因は、紫外線です。
紫外線にさらされると皮膚のメラノサイトが刺激されてメラニンを生成し、そばかすが濃くなります。
紫外線が強い季節や場所では、雀卵斑がより目立ってくることが多いです。
特に、子供の頃から紫外線を大量に浴びると、大人になってからそばかすが増加するリスクが高まります。
治療法としては、老人性色素斑と同様にレーザー治療やケミカルピーリングなどがあります。
また、レチノイドやハイドロキノンといった美白成分を取り入れることも重要です。
肝斑(かんぱん)は顔面に発生するシミの一種で、特に女性に多く見られます。
30代から50代にかけて現れることが多く、額・頬・鼻の周囲、上唇などの部位に左右対称に現れるのが特徴です。
肝斑の原因は複雑に入り組んでいて、ホルモンの影響・紫外線・物理的な刺激などが考えられています。
特に、女性ホルモンの変動が大きな要因として知られています。
妊娠中やピルの服用時、また閉経前後のホルモンバランスの変化によって肝斑が出現・悪化することが多いです。。
肝斑は左右対称に出現することが多いです。
面積が比較的広く、ぼんやりとしていて境界不明瞭なのが特徴です。
肝斑の治療は難易度が高く、じっくりと腰を据えて治療に挑む姿勢が必要になります。
当院で主に行っているのはピコトーニングという治療です。
老人性色素斑などの治療と同様にピコレーザーを使用するのですが、同じ「スポット照射」という照射方法では余計に濃くなってしまうリスクがあります。
なぜかというと、肝斑では強い刺激が加わると色素を作る細胞の働きが強まってしまうためです。
そこで、ピコトーニングでは、出力をスポット照射の時よりも弱めて顔全体に照射していきます。
これにより、色素を作る細胞を起こさないレベルで徐々に色素を壊していくという治療法です。
いかがでしたでしょうか?
ここまで読んでいただき、シミはそれぞれの種類で特徴が大きく異なり
治療法も多岐にわたるということがわかっていただけたと思います。
実際、老人性色素斑だと思って来院された方が実は肝斑だった、ということは
これまでにも何度もありました。
シミを薄くしたいと思ったら、まずは美容皮膚科で正しい診断を受けましょう。