シミは塗り薬で治せる?|ハイドロキノン・トレチノイン療法

シミは塗り薬で治せる?|ハイドロキノン・トレチノイン療法

シミは塗り薬で治療することもできます。これはレーザーと違って即効性はなく、数か月かけてシミを薄くしていく方法です。塗り薬の成分はハイドロキノンとトレチノインで、これらを併せて使用することで効果が表れます。ここではシミを塗り薬で薄くする方法を解説します。

シミを塗り薬で治す

医療機関で出される塗り薬ならシミに効果があると説明する女医

 

 

こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。

 

シミは、加齢や紫外線の影響、ホルモンバランスの変化などによって肌に色素沈着が生じる現象です。
そのシミに対する効果的な治療法として注目されているのが、ハイドロキノン・トレチノインの併用療法です。
この治療法は薬を塗るだけなのでレーザー治療などよりも敷居が低いです。
ただし、高濃度で強力な成分であるため医療機関でしか取り扱いが出来ません。

ハイドロキノンとは

ハイドロキノンは強力な美白成分として有名で、メラニンの生成を抑制する働きがあります。
メラニンは肌の色を決定する重要な要素であり、シミやくすみの原因にもなります。
ハイドロキノンは、メラニンを作るメラノサイトという細胞の働きを抑制することにより色素沈着を改善する効果があります。
具体的には、メラニンの合成に必要な酵素「チロシナーゼ」を阻害してメラニンの生成を抑えるというメカニズムです。

 

ハイドロキノンは医薬品として使用され、濃度の高いもの(4%以上)は医師の処方が必要です。
2%以下の濃度では化粧品として市販されていますが、医療機関で使用されるものの方が高い効果が期待できます。

 

当院で扱っているハイドロキノンは4%のものです。

トレチノインとは

トレチノインはビタミンAの誘導体であり、肌のターンオーバーを促進する作用を持っています。
今大流行のレチノールという成分がありますが、トレチノインはその何倍もの効果がある成分です。
トレチノインは角質層の細胞を刺激し、古い皮膚細胞の剥離と新しい皮膚細胞の生成を加速することで肌の若返りやシミの改善に効果的です。

 

トレチノインは皮膚の角質層を早く剥がれやすくすることにより、シミや色素沈着の原因となるメラニンを排出します。
また、肌のターンオーバーを促進することでメラニン色素の排出を促しシミやくすみを改善します。
さらに、毛穴の詰まりを防ぐ効果があるためニキビ治療にも用いられます。

 

トレチノインをハイドロキノンと併用することで、皮膚のターンオーバーを早めてハイドロキノンの効果を高めることができます。

 

当院で使用しているトレチノインの濃度は、0.1%です。

ハイドロキノン・トレチノイン併用療法のメリット

  • 相乗効果:ハイドロキノンとトレチノインを併用することにより、シミ治療の効果が相乗的に高まります。ハイドロキノンがメラニンの生成を抑え、トレチノインが皮膚の新陳代謝を促すことで、色素沈着をより早く、効率的に改善することができます。
  • 美白と肌再生のダブル効果:ハイドロキノンによる美白効果に加えてトレチノインが肌の再生を促進するため、シミだけでなく、肌全体のトーンや肌質の改善も期待できます。

ハイドロキノン・トレチノイン療法のやり方

治療期間は通常、数ヶ月から半年ほどにわたります。
具体的な期間は個々の患者さんの肌の状態やシミの濃さによりますが、早ければ数週間で改善が見られることもあります。

 

ハイドロキノンやトレチノインは、最初の段階では毎日ではなく週に数回の使用から始めるのがおすすめです。
肌の反応を見ながら、使用頻度を徐々に増やしていきます。

 

ただし、トレチノインを使用するとお肌が紫外線に敏感になるため、治療中は必ず日焼け止めを使用し紫外線対策を徹底する必要があります。

副作用とリスク

ハイドロキノンとトレチノインは非常に強力な成分ですが、その分副作用もあります。
特にトレチノインは、肌が赤くなったり、乾燥したり、皮がむけたりすることがあります。
このため、敏感肌の人は使用に際して注意が必要です。
医師の判断のもとで正しい用量と頻度を守ることが重要です。

 

また、ハイドロキノンは長期間使用すると、まれに「白斑(皮膚が逆に白くなる)」が生じることがあるため、適切な期間内で使用しなければなりません。
目安としては5,6か月継続して使用したらいったん中止する、といった具合です。

まとめ

ハイドロキノン・トレチノイン併用療法は、ホームケアにひと手間加えるだけなのでレーザー治療など他の施術と比べて敷居が低いです。
それでいて、確かな効果も認められてい強力な治療法です。
これを、シミが気になるところだけでなく顔全体に塗るのが有名なZO SKINのセラピューティックプログラムですね。

 

ハイドロキノン・トレチノイン併用療法は、強力な分副作用が多いです。
そのため、定期的に医師の診察を受けて量や塗る頻度を調節する必要があります。

 

トレチノインを使用すると特に乾燥が強くなるため、しっかりと保湿をすることが必要です。
また、特にこの治療をしている間は紫外線対策も必須です。
せっかくお金をかけてした治療を無駄にしないように、保湿・紫外線対策などの最低限のスキンケアは欠かさないようにしましょう。

 

 

【監修】

六甲道あさみお肌のクリニック 副院長 芝原麻実

六甲道あさみお肌のクリニック

副院長 芝原麻実

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