ピコレーザーでシミ取り放題|ピコスポットで取れるシミは?

ピコレーザーでシミ取り放題|ピコスポットで取れるシミは?

ピコレーザーによるシミ取り放題の適応は「老人性色素斑」という一般的なシミで、色が濃く境界線がはっきりしているものです。肝斑や薄いシミは余計濃くなってしまうことがあるのでダメです。ピコレーザーでシミ取り放題をするなら、まずは医師の診断を受けましょう。

ピコレーザーによる「シミ取り」

シミ取りと言えばピコスポットと主張する女医

 

 

こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。
今回の記事では、ピコレーザーでのシミ取りについて解説していきます。

 

当院でも人気の施術が、ピコレーザーでの「シミ取り放題」。

 

そもそも、元々シミ取りに使われる機械では「Qスイッチレーザー」という機械が主流でした。
そこに「ピコレーザー」という新しい機械が登場し、今や新たなスタンダードになりつつあります。

Qスイッチレーザーの特徴

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)単位の短いパルス幅でレーザー光を発する装置です。
1980年代から広く使用されており、主にシミなど色素沈着の治療や刺青の除去に用いられてきました

 

Qスイッチレーザーは、メラニン色素やタトゥーインクなどの色素をターゲットにしてそれらを選択的に破壊します。
このレーザーは、光が色素に吸収されると熱を発生し、その熱で色素を破壊する「光熱分解作用」が基本的なメカニズムとなっています。

 

Qスイッチレーザーの長所は、従来からの実績があり、特にシミやタトゥーの除去において一定の効果が期待できる点です。
しかし色素を破壊するために多くの熱を発生させるので、周囲の皮膚組織にダメージを与えるリスク高いです。
その結果、炎症後色素沈着や軽度の瘢痕形成などの副作用が生じることがあります。
また、色素の除去には複数回の治療が必要な場合が多く、治療が長期化する傾向があります。

ピコレーザーの特徴

ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位の非常に短いパルス幅を持つレーザーです。
わかりにくいですが、これはQスイッチレーザーのパルス幅の1000分の1です。
パルス幅がかなり短くなったことで、レーザーのエネルギーが色素に吸収される時間が極めて短くなりました。
これにより、色素をより効率良く破壊することが可能になりました。

 

ピコレーザーの主な作用は「光音響効果」と呼ばれ、色素が急激に拡張しその後物理的に破壊にされることよって色素が分解されます。
このプロセスではQスイッチレーザーと異なり熱がほとんど発生しないため、周囲の皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。

 

ピコレーザーの最大の利点は、色素の破壊がより効率的であり、治療回数が少なくて済む点です。
また、熱ダメージが少ないため、副作用としての炎症後色素沈着や瘢痕形成のリスクも低くなっています。
さらに、ピコレーザーは肌の再生やコラーゲン生成を促進するため、シミやタトゥーの除去だけでなく、肌質改善や小じわの軽減にも利用されることが多いです。

ピコレーザーによるシミ取り

「ピコレーザーによるシミ取り」というと、一般的には「スポット照射」のことを指します。
スポット照射とは、治療したい部位にレーザーを局所的に強めの出力で照射する方法です。
この方法により、例えばシミやそばかす、タトゥー、ニキビ跡、炎症後色素沈着など、限られた部分に存在する色素異常を正確に治療することができます。

 

ただし、スポット照射が適応となるシミとそうでないシミがあります。
大まかにいうと、濃くてくっきりしたシミはスポット照射に向いていますが
肝斑や薄いシミ・そばかすなどは向いていません。
スポット照射に適さない種類のシミにスポット照射をしてしまうと、シミが余計に濃くなってしまう危険があります。
これらにはスポット照射とは別に「トーニング」が適応となる場合が多いのですが、これについてはまた別の記事で解説しますね。

 

こういう事情があるため、スポット照射を行う前にはしっかりと医師の診断を受ける必要があります。

ピコスポット後の経過

ピコスポットを照射すると、まずは照射部位に赤みが出ます。
そこから2,3日経過すると、赤みが出ていた部分に薄く繊細なかさぶたが出来ます。
第一に、これを無理にはがさないことが重要です。
ここでできたかさぶたは1~2週間ほど経つと自然と剥がれ落ちるので、それを待ちます。

 

当院では、かさぶたがはがれた頃に一度再診に来て頂きます。
勘違いされている方が多いのですが、かさぶたが剥がれた後の肌は真っ白な肌ではなく、薄く赤みがかっています。
この赤みの濃さや引くまでの期間には、かなりの個人差があります。
この段階で一度診察をし、必要な場合には炎症を抑える塗り薬や後の色素沈着を予防する塗り薬を処方します。

 

ピコスポットは「シミ取り」という名前でとてもお手軽な治療に思えますが
その効果を十分に発揮するためには、医師の指示のもと適切にケアする必要があります。

 

特に、スポット照射後のお肌に日焼けは厳禁です。
赤みがみるみるうちに色素沈着に変わってしまいます泣

まとめ

以上、ピコレーザーによるシミ取り治療について解説しました。
従来のシミ取りレーザーと比べた時のピコレーザーの優位性、ピコスポットによるシミ取りの大まかな流れなどが
わかっていただけたかなと思います。
とにもかくにも、医師の判断の元適切な治療・アフターケアを行いましょう。

 

 

【監修】

六甲道あさみお肌のクリニック 副院長 芝原麻実

六甲道あさみお肌のクリニック

副院長 芝原麻実

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