こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。
医療レーザー脱毛は、医療機関で医師監修のもと十分なトレーニングを受けた看護師が行う脱毛治療です。
エステ脱毛と比べて高出力で照射できるため高い効果が期待できる一方、その分肌トラブルや副作用が発生する可能性があります。
この記事では、医療レーザー脱毛で見られる代表的な副作用と、その予防法・対処法につぃて解説していきますね。
医療レーザー脱毛の代表的な副作用は以下の通りです。
これは、レーザー脱毛後起こりうる副作用の中で最も多いです。
レーザー脱毛後、肌に赤みや腫れ、ヒリヒリ感が生じることがあります。
これはレーザーが毛根に熱を加えることで、周囲の皮膚にもダメージが加わり軽度の炎症が生じているためです。
通常は数時間から数日で軽減しますが、敏感肌の方などの場合は数日間続くことがあります。
こちらの対処法としては、お肌を冷却することと保湿することが一番大切です。
まず、治療直後に冷却することで炎症を最小限に抑えることができます。
当院のレーザー脱毛機には冷却装置が付いており、照射しながらお肌を冷却しています。
これに追加して、ご帰宅後にも氷などで冷やしていただくと良いです。
また治療後は肌が乾燥しやすくなるため、保湿クリームやローションを使用して肌の水分を保ちましょう。
乾燥するとさらに炎症が悪化する可能性がありますので、
普段ボディケアはされないという方も脱毛後だけは1週間程度保湿を頑張ってください。
レーザー脱毛後、お肌に色素沈着が発生することがあります。
特に日焼けした肌や色素沈着が元々ある肌に対してレーザー照射を行った場合にリスクが高まります。
レーザー照射後にメラニンが活性化し、シミや色むらが生じるのです。
これを予防するためにはまず、施術前に日焼けしないよう注意することです。
また、日焼けや色素沈着が深刻な場合には、医師の判断の上で一時的に治療を中止することも検討します。
もし既にレーザー脱毛で色素沈着が起こってしまった場合は、ハイドロキノンなどの美白成分を使用してみましょう。
当院では医師の診察を受けていただき、高濃度のハイドロキノンクリームを処方する場合もあります。
個々の患者さんに適切なレベルでレーザー照射をし細心の注意を払っていても
医療レーザー脱毛をするとなれば、やけどのリスクを全く0にすることはできません。
やけどは軽度であれば数日で治癒しますが、重度の場合は色素沈着や瘢痕(はんこん)を残すことがあります。
やけどを起こした場合、早急に冷却し医師の診察を受けることが必要です。
毛嚢炎とは、毛穴に細菌が入り込み毛穴周辺が炎症を起こす状態です。
医療レーザー脱毛後に毛穴が一時的に開くことで、毛嚢炎が発生することがあります。
見た目には、白いニキビのようなものが毛穴に沿って並んで見えたり、毛穴が赤く膨らんで見えます。
症状としては、かゆみや痛み・熱感を伴うことがあります。
特にヒゲ・VIOに照射した場合に起こりやすく、当院では事前にその炎症を防ぐお薬を処方させていただく場合が多いです。
塗り薬を処方された場合は、忘れずにその日の夜から1週間ほど続けて塗るようにしましょう。
ごくまれに、レーザー脱毛後に一部の部位で毛が太く硬くなる「硬毛化」が起こります。
特に、顔やうなじ、肩など元々毛が薄く細い部分で見られることが多いです。
硬毛化は滅多に起こるものではありませんが、起こってしまった際には施術方法を変える必要があります。
具体的にはレーザー照射の期間を詰めて出力を上げた状態で追加照射を行ったり
機械をYAGレーザーに変更したり、などです。
医療レーザー脱毛は比較的安全かつ効果的な脱毛方法ですが、適切な予防策とその後のアフターケアが重要です。
炎症、色素沈着、やけど、毛嚢炎、硬毛化などの副作用が生じる可能性がありますが、どれも迅速に適切な対応を行うことが必要です。
医療レーザー脱毛は、施術を受けっぱなしではいけません。
その後のホームケアをご自身でしっかりしていただくことも大切です。
特に保湿、日焼け予防はその基本となります。
普段はボディケアをされないという方も、少なくとも脱毛後1週間程度はケアを徹底するようにしてください。
余計なトラブルを増やさないためにも、ホームケアは怠らないようにしましょう。
また、普段よりもご自身のお肌をよく観察し、少しでも違和感を感じられた場合はすぐにご相談いただくようお願いいたします。
医療機関で脱毛施術を受けていれば、その後肌トラブルが起こった際迅速に対応してもらえるというのは大きな強みです。
信頼できる医療機関で、安心して施術を受けられるのが一番ですね。