こんにちは!皮膚科・美容皮膚科医のあさみです。
医療レーザー脱毛の機械は、大きく分けて2種類あります。
一つが熱破壊式、もう一つが蓄熱式です。
当院では熱破壊式のレーザーを使用しています。
この記事では、2種類のレーザーの違いと
熱破壊式レーザーの利点について解説していきますね。
熱破壊式は、高出力のレーザーを瞬間的に肌に照射し、
毛根に存在する「毛母細胞」を高温で破壊することで脱毛を行います。
こちらは毛の成長に重要な役割を果たす毛母細胞や周囲の細胞を直接破壊するため、高い脱毛効果があります。
ところで、みなさんは「毛周期」なるものをご存知でしょうか?
簡単に解説しますと、毛は一定のサイクルに沿って生えたり抜けたりを繰り返しています。
毛周期には「成長期」・「退後期」「休止期」の3つの状態があり、今生えていて目に見えている毛は「成長期」にあります。
「退後期」「休止期」にあるものは今毛が生えておらず、毛が生えてくる元の組織だけが奥に潜んでいると考えてください。
熱破壊式レーザーは毛周期に合わせ、「成長期」にある毛根をターゲットにして、毛根にある「毛母細胞」を高温で破壊します。
個人差はありますが、1回の照射で成長期にある毛の約1/3が減毛されます。
また、熱破壊式レーザーだと一度の照射で大きな効果が期待でき、毛が再生するまでの時間も1か月程度と長いです。
熱破壊式レーザーのメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
【デメリット】
蓄熱式は高温で一気に毛根を破壊するのではなく、低出力のレーザーを連続して照射し毛根の周囲にある「バルジ領域」と呼ばれる部位を徐々に加熱することで脱毛を行います。
バルジ領域には毛の再生に必要な細胞が含まれているため、この領域をターゲットにすることで脱毛が行われます。
蓄熱式レーザーのメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
【デメリット】
熱破壊式レーザーの最大の強みは、高い脱毛効果です。
毛根細胞を直接破壊するため毛の再生を抑える効果が非常に高く、少ない施術回数で永久的な脱毛が可能です。
特に、太く濃い毛に対しては非常に効果的であり、毛が目立ちやすい部位(ヒゲやワキ、VIOなど)の施術には最適です。
また、短期間で脱毛効果を得たい方にとって熱破壊式は非常に有効です。
次に、熱破壊式では毛の成長を担う毛母細胞自体が高温で破壊されるため、毛が再生する可能性が大幅に減少します。
そのため、蓄熱式に比べて永続的な脱毛効果を実感しやすい点が大きな魅力です。
蓄熱式は毛の成長を抑えるだけであり完全に毛根を破壊するわけではないためどうしても一定期間後に毛が再生する可能性が残りますが、熱破壊式はその点で優れています。
また、熱破壊式は毛根を一度に高温で破壊するため、1回の施術で多くの毛を処理できます。
そのため施術回数が少なくて済み、結果として短期間で脱毛を完了することが可能です。
特に忙しい生活を送っている方や早く脱毛効果を実感したい人にとって、この短期間での効果は大きな利点となります。
さらに、熱破壊式レーザーはさまざまな毛質や肌質に対応可能であり、全身の広範囲の脱毛に利用することができます。
特に、先述した通り濃く太い毛に対して非常に効果が高いため、ヒゲやVIO、ワキ、脚などの太い毛が目立つ部位の脱毛が得意です。
肌の色素沈着が少ない方においては、低リスクで高い効果が得られます。
そして、最終的には熱破壊式レーザーを使用する方がコストパフォーマンスが良くなる傾向にあります。
一見、蓄熱式は痛みが少ないため選ばれがちですが、熱破壊式は少ない回数で効果を発揮するため、
長い目で見ると蓄熱式に比べて通院回数や施術期間が短縮され、結果的に全体のコストが抑えられる可能性が高いです。